「空想科学読本8」 [ダンナの本棚から]
高校生から寄せられた漫画やアニメのあれやこれやの疑問に科学的に大真面目にこたえてくれてる「空想科学読本」。毎回、「よくこんなの検証するな~」と感心します。
うちで家族みんなが興味深々だったのが「ハガレン」ネタ。
あなたも疑問に思いませんでしたか?
死んだ恋人を甦らせようと願っていたロゼに、エドが人体の構成成分を読み上げ、
「ちなみにこの成分材料な 市場に行けば 子供の小遣いでも全部買えちまうぞ。」
ほんまか?
一体いくらするんや?!
そんな疑問を解消すべく、材料費がどれくらいかかるか試算されています。
頑張って貯めれば買えないことないですかね(笑)。
意外なものが一番高かったです。
成分のバランスについてもちゃんと検証されていて、エドが読み上げた成分比率だと、カリウムや鉄分が少なめだそう。荒川先生だって、こんなことまで検証するもの好きがいるなんて思わなかったのでは?
あと「へ~」と思ったのが、「バリハケン」の組み体操の「逆ピラミッド」についての質問で関連で載ってっていた、通常のピラミッドでのポジションによる負担の違い。
5段のピラミッド(一段目に5人並んでます)の場合・・・最下段では両端の人にくらべて中央の人の負担はなんと3倍以上!! 本には図解があるのでわかりやすいです。
私だっていつも1番下の段でしたけど、まさか同じ一段目でもポジションによってこんなに違うとは思わなかった。
一段目中央はまさに縁の下の力持ちだったのです!
ピラミッドというと最上段が一番脚光をあびますが、それも一段目中央が頑張っているからこそ。
クラスメイトのみなさん、地味~に頑張ってる一段目中央の人もねぎらってあげてくださいね!
他にも『走れメロス』に、「メロスは少しづつ沈んでいく太陽の、十倍も早く走った」とあります。どんな速さですか?とか、『テニスの王子様』の海堂の必殺技ブーメラン・スネイクは実現可能ですか?など、楽しい質問がいっぱいです。
ぜひ学校の図書室にも置いてほしいです。
「東京魔方陣」 感想2 [ダンナの本棚から]
さて徳川の世は終り、天皇は京都から江戸城内につくられた吹上御所へ居を移したわけだが・・・呪術的に重要な場所に位置し防御にすぐれている場所(江戸城)を選んだというのは、当然といえば当然。だけど江戸の結界は家康公を神として祭った上で成り立ってる、徳川安泰のための魔方陣である。そこにそのまま、帝が鎮座して大丈夫なんだろうか・・・素人だってそう思う。
当然、明治政府は家康公の力をそぎ、将門公を封じ込めるために策をほどこしていた。
家康も将門公も朝廷にとっては逆族。封じなければならない朝敵なんである。
朝廷はかつての敵の力を取り込む事など考えられないらしい。
詳しくは本を手にとってのお楽しみにおいておきたいが、少しだけネタばれを・・・。
明治政府は建物こそぶっつぶさなかったようだけど、日光においていくつかの建物を移動させ、また新た新たにいくつかの建物を作って新しい魔方陣んをつくり、その力を東京へと運んでいる。
家康の影響は弱めつつ、日光の力をとりこむために。
修学旅行で、あるいは観光で日光東照宮を訪れた人も多いだろう。
この本によれば、我々は家康公の力をそぐために知らないうちに利用されていたということになる。
そう、徳川にとって神聖な場所を庶民に踏み荒らさせるという手段で!
他にも移築された江戸城の門や、鉄道敷設にかかわる謎等、説得力のある内容で大変楽しめた。
「東京魔方陣」 感想1 [ダンナの本棚から]
著者の調査対象はいったん関東を離れて、紀伊に向かいます。江戸を守護する結界が熊野神社によって形成されていること、紀伊和歌浦と東京・浅草周辺に共通の地名が多くあること、これから紀伊と江戸との結びつきは明らかだったからです。
少々残念なのは、関東在住の著者の都合により、紀伊の調査は地図と文献によるものであること。加門さんが実際に出向けば、さらなる発見があったかも知れない。(たしかに調査範囲が広く、容易ではないだろうか、出版社も協力すればいいものを。)
それはともかく、著者が導き出した紀伊半島の魔方陣は、規模が大きく美しい、感嘆すべきものでした。この魔方陣は、この地にあった神社群(魔方陣)に、天海僧正が新たに和歌浦東照宮(こんなことろにも、東照宮があったのか。関西人のくせに知らなかった。)を要として加えることで、霊的な力を徳川のものとして取り込み、江戸へと供給している。
霊的なパワーなんてものを信じない人でも、魔方陣を形成するために置かれた和歌浦東照宮の位置の正確さには驚くはず。他のすべての神社の位置もすべて正しく把握したうえで、その場所に造営されたとしか思えない、そういう位置にあるのです。古くから驚くほど精度の高い測量技術があったってことですね。
そして、紀伊と江戸を結ぶ魔方陣も存在しました。著者が提示していながら、「大江戸魔方陣」では謎のままだった、江戸における『四神相応の「玄武」に相当するのはどこか』という疑問にも決着を見ています。
このあとは、徳川幕府が終わりを迎え、かつての徳川の居城が皇居となってからの話となるのですが、朝廷は敵とみなしたものに容赦ないというのが、よくわかりますよ~。
長くなるので、続きは後日に。
大江戸魔方陣 [ダンナの本棚から]
大江戸魔方陣―徳川三百年を護った風水の謎 (河出文庫―文芸COLLECTION)
- 作者: 加門 七海
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1997/09
- メディア: 文庫
四神相応・・・平安京もお江戸も、これに基づいて造営されたことはよく知られていますが、通説のうち、西の白虎が東海道、南の朱雀は江戸湊はよしとして・・・・東の青龍は相当するのは平川(すでにない)なのか大川(隅田川)か? 北の玄武をとっくに削られて消滅している麹町台地、またはここから望んだ富士(もちろん北にはない!)または駿河台とするのは釈然としない。
著者が抱いたそんな疑問から、江戸に張り巡らされた魔方陣があきらかに・・・という本です。
ほんまに、うちのダンナはこういうの好きやな~。そういう私も同じ穴のムジナやけど。
この本のタイトルは前から知ってはいたのです。たしか「封殺鬼シリーズ(霜島ケイ著)」のあとがきで触れられていたのだと思う。「大江戸魔方陣」は最近の発行ではないけど、なかなかに面白い!
関西人の私には、墨田川が青龍と位置づけるにふさわしい規模であるかどうか、すぐにはわからなかったけど、なるほど地図を見ればちょっと・・・、いやかなり頼りないことに同感。 山でなきゃいかん北の玄武が台地だなんてホンマかいなと私でも思うな。離れはするけどいっそ男体山だと言われたほうがよっぽどマシやろう。
著者の加門さんは地図と自分の足を頼りに、謎の解明に挑むのですが、私は「江戸の鬼門」の項が面白かったですね。
一般に江戸の鬼門の守護は、浅草寺(せんそうじ)または寛永寺と云われてるそうだけど、江戸城の本丸を中心として線を引くと・・・・。おやおや、そのどちらも線上にはない。では真の鬼門の守護は?
それは読んでのお楽しみなので、ちゃんと守護は存在したし、浅草寺と寛永寺も鬼門の守護として機能しているとだけ書いておきます。
内容は明解で、呪術に関して難しい知識も必要ないので、単に読み物として楽しむこともできるかと。
どっぷり、呪術やそれをほどこした人物について掘り下げたものを期待するひとには、物足りないかもしれないけど、社寺の位置関係や祭神など一般に入手できる情報から、著者がこれだけの意味のある図形を探しあてたことに驚嘆します。
「ウソ読みで引ける難読語辞典」 [ダンナの本棚から]
肌理・灰汁・外郎・・・このくらいならわかるけど、四阿・衒う・翻車魚になると、「こんなもん、読めへんわ~!」と叫びたくなります。
ちなみに正しい読み方は、肌理(きめ)・灰汁(あく)・外郎(ういろう)・四阿(あずまや)・衒(てら)う・翻車魚(まんぼう)です。
この本は、タイトルどおり「ウソ読み」で難読語を調べることができる、邪道かつ画期的な辞典です。
それぞれ「はだり・はいじる・がいろう・しあ・げんう・ほんしゃぎょ(注意:これらはウソ読みです!)」で、引くことができます。
「竹箆返(正しい読み:しっぺがえ)し」を例にとってみましょう。
ウソ読みしようにも、「箆(へら)」の読み方がわからへんやんか!なんて場合もありますね。
でも頭の竹は読めますよね。「ウソ読み索引」でさがすと「たけへらがえし 竹箆返し」で載っています。
また、含まれるどの漢字からも引けるようになってます。竹ならすぐ画数を数えられるので・・・「漢字別項目索引」で六画のページを探すと、竹を含んだ難読語のなかに「竹箆返し」が載っています。返(七画)、箆(十六画)でも探せるようになってます。
本文は事柄・動作・食べ物・動物・地名などに分類されているので、眺めていても楽しいです。読みだけじゃなくて、意味や解説・用例も簡潔にまとめられているので勉強になります。うそ読みでひけるほかは、いたって真面目な辞典なんです。
クイズ番組の漢字問題もいっそう楽しくなりますよ。
「あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します 」 [ダンナの本棚から]
あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します (UNPOCO ESSAY SPECIAL!)
- 作者: 菅野 彰
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
あなたの近くにも、いつ見てもお客さんが入ってるふうがないとか、外観がオンボロで本当に営業してるのかどうかよくわからないお店はありませんか?
これは著者がお友達や編集者を巻き込んで、そんな生きてるか死んでるかわからない店を体当たりで検証したルポです。はやってる様子はまるでないのに、おいしかったお店も存在しますが、後でおなかをこわしたとか、吐いてしまったというキョーレツなお店が載ってます。もちろんアウトなお店は仮名で紹介されてますが、近所の方なら店の特徴なんかできっとわかるでしょう。
初回は大泉学園にある、とある寿司屋さんと、中華屋さん。
寿司屋さんのほうは、崩れかけた建物、ひからびた水槽、座敷では子供が遊んでいる(注:この子供はお客さんではない)といった具合。なのに、寿司はとてもおいしかったそうな!!
ここは◎だったので、実名で載っています。いまもそのままの外観かどうかは知りませんが。
そして・・・もう一方の「中華飯店(仮)」がすごい!!
外には枝に貝殻をくっつけた木のオブジェ、サーモンを咥えた木彫りのクマ、マツケンとまったく統一性のない装飾がほどこされてます。そして店は・・・座る場所もないほど土産物・衣類・雑誌でいっぱい。そんな状態でも「営業している」と、店主はいう。
座卓のまわりを片づけて座ると、アノ黒い昆虫が出現!フツーなら帰るところですけど、著者たちは取材なので料理を注文したとさ。そしたら・・・中華丼の中からおでんの具!!
信じられない店があるものです。
このあとも「何でつぶれずに存続しているのか!?」と思わずにいられない、トンデモナイお店が出てきます。ちなみにこの本の最後にでてくるお店の写真はネット上にありました。確かに壁の文字が「レストラン」ではなく、「レフトラン」になっていました(笑)。
営業妨害になるとまずいので、URLを載せるのはひかえさせていただきます。
「命からがら―誰も行けない温泉」 [ダンナの本棚から]
そして、何はなくともガスマスクは忘れずに!
・・・まさに命がけの温泉めぐりの本です。
- 作者: 大原 利雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2002/11
- メディア: 文庫
自然災害で寸断された道の先にあった美しい天然の温泉、ガスマスクなしで入れない火口の湖など、たどりつくのも一苦労な温泉の数々が登場します。
これから温泉が恋しい季節になりますが、一味違う温泉めぐりの本もよろしいかと思います。
今この本は手元にないけど、実は買ったのは私。サブカルチャー好きのダンナを笑えない・・・。
「へんなほうりつ」 [ダンナの本棚から]
前に紹介した「世界一へんな地図帳」にも『へんな法律』という章がありました。
たとえば・・・
イギリスには「国会議事堂で死ぬと違法」・「海岸に鯨の死体が打ち上げられたら、頭は国王の財産に、尻尾は女王の財産になる」・「妊婦はどこでおしっこをしてもかまわない」など、妙な法律が載っています。これらは昔に発布されたまま廃止されないで現在にいたっているので、「生きている法律」だという笑い話です。
アメリカ・フロリダ州には「ヤマアラシとの×××を禁じる」という、制定する必要があるのか疑問な法律が!危ないからとういうんですけど、考えなしな奴がどうなろうと自業自得ですよね。
でもってこの「へんなほうりつ」のほうにも、トリビアの泉じゃありませんが、「へぇ~」を連発するような法律がいろいろ紹介されています。
日本にも「これは知らなかった!」という法律があるものですね。
広島県には『刺繍業者は暴走族の特攻服に刺繍をしてはならない』という条例が!
そして千葉県・柏市には『吸殻やゴミのポイ捨てをしたら「広報かしわ」に氏名と住所を公表する。』なんてのがあるそうです。罰金を科すのじゃないところが面白いです。
世界に目を向けると・・・『女体盛りは食品衛生法違反とする。(中国)』。えっと、正直なところ一部の変なお店をとりしまるより、一般的な食品の安全にもっと気を配ってほしいです。毒入りギョーザや食品のメラミン汚染・・・中国の衛生局、何やってんのよ!!
もっとも、この法律は雲南省で日本料理店がはじめた「女体盛り」のサービスに、女性蔑視だという非難が殺到したため作ったそうです。おえらいさんたちは喜んで通ってたんじゃないの?
しかし、体に刺身を盛り付けたら、ぬくくなっておいしくないと思うんだけど、なんで刺身が定番なんだろう・・・というか、なんで日本にはこんな文化があるんだろう???ほかの国にはないそうです。
ほかにも『墓地でピクニックをしてはならない(アメリカ・ニューハンプシャー州)』とか、『子牛を寂しがらせてはいけない(スイス)』とかetc・・・原文と解説もあって、面白いです。
最後にパキスタンの法律を紹介しませう・・・。
『窃盗の初犯は、右手首切断。再犯は左足首切断。第三犯は終身刑』
ひえぇ、怖い!!
こうまでするのは犯罪が多いからでしょうか?? けれども、貧しさから盗みを働く人だっているだろうに・・・。手や足が不自由になったら窃盗はしにくいけど、まじめに働こうにも支障があるよ~。
それに終身刑だと、刑務所がどんどんいっぱいになってしまうやん!!
「金閣寺に密室(ひそかむろ)」 [ダンナの本棚から]
うちのダンナはトンデモ本系や雑学の本以外に、ミステリー・推理小説が好きです。赤川次郎さんや内田康夫さんがメインですが、鯨統一郎さんの著作も好きです。
「金閣寺に密室(ひそかむろ)」は私が読んだ鯨統一郎さんの本のなかでは、いちおしです!
謎解きをするのは、なんと一休さん!
アマゾンに画像がなかったのでスキャンしました。
とんち探偵・一休さん金閣寺に密室(ひそかむろ) (祥伝社文庫)
- 作者: 鯨 統一郎
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2002/08
- メディア: 文庫
一休さんといえば、子供のころにアニメをご覧になった方も多いでしょう。私もアニメを見て育ちました。
だから、この本を読むとびっくり!
一休さんは、ちょっと人をくった物言いをする15歳の少年として登場します。しかも京言葉なので、アニメとかなり違った印象です。知恵ものなのはもちろんですが、15歳とは思えないほど物事に通じています。
そして、アニメの「一休さん」でのイメージを大きく覆すのが将軍様・足利義満公!!
アニメでは桔梗屋さんと組んで一休さんを困らせもしますが、憎めない人物でもありました。が、この本では気に入った女性がいれば、それが家臣の奥さんであろうと強引に召し上げて妾にしてしまう色狂いの親父なのです!! しかも、かたちだけは出家して法衣着てます。そして、溺愛する義嗣を帝位につかせようとあれこれ策略をめぐらせております。(こっちのほうが史実に近いのか?)
そんな義満が、金閣寺で死亡しているのが見つかります。
タイトルに「密室(ひそかむろ)」とあるとおり、事件がおきたのは密室。
自殺か他殺か!? 一休さんの推理は?
推理ものなのであまり詳しくかけませんが・・・
作中に一休さんのおなじみのとんちのエピソードがうまくちりばめられていて、事件とは関係なさそうなそれぞれのとんちや謎解きが、実は事件の解明に結びついています。
一休さんといえば、なくてはならない蜷川新右衛門も登場。新右衛門さんと一休さんの出会いのときの問答でも、一休さんの知恵者ぶりが鮮やかに描かれていて、好きなシーンです。
「空想キッチン!」 [ダンナの本棚から]
このまえ、あまりに本が部屋にあふれていいるのを整理させたので、かなり減ったのですが、まだまだ妙な本があるのです。これもそう・・・。
アニメを見ていて、「あの料理がおいしそう~、食べてみたい!」そう思った人は多いのでは?
私も子供のころに、「アルプスの少女ハイジ」でチーズがのっかった黒パンを見て、本気で食べたかったです!!今でも食べたいです!
この本では、そんなアニメの中の、おいしそうな又はなぞの食べ物についての考察がつまっています。
なかには実際に作ってみたというものもあり、作り方も載っています。たとえば・・・「ハクション大魔王」のハンバーグ、「オバケのQ太郎」にでてくる小池さんが食べているラーメン、ハイジのチーズをのせたパンなど。
もちろん「うる星やつら」のラムちゃんの手料理とか、「ギャートルズ」のマンモスの骨付き肉など再現不可能なものもとりあげられています。マンモスの肉もおいしそうだったなぁ~、じゅるっ。
一番上が「ハクション大魔王」のコロッケみたいなハンバーグ